鳥さんが好き。「みかんちゃん劇場」の演者たち。
みかんちゃんとゆずちんは、小鳥さんが大好きです。
みかんちゃんちには、庭があります。
マンションの1階の庭だから、そんなに広くはありません。でも、ベランダよりかは広いです。タイル張りの床なので、地面に直接植えているわけではなく、すべて鉢植えです。
とはいえ、オリーブの木が3本、ローズマーリーの木が1本、その他たくさんの鉢植えがあります。
なので、庭には鳥さんがきます。何種類か来るのですが、下僕がわかるのは、スズメちゃんとメジロぐらいです。
みかんちゃんもゆずちんも、スズメちゃんが一番興奮します。小さくて、よく動くから。それ以外の鳥さんは、大きいのでちょっと怖いです。
みかんちゃんとゆずちんは、窓のこちら側から見ています。
みかんちゃんは、ソファで寝そべって見ていたり、キャットタワーのてっぺんから眺めていたり。みかんちゃんにとっては、窓は劇場です。いろいろな鳥さん来るのをワクワクしながら見ています。
ゆずちんは、カーテンの影に隠れたり、キッチンカウンターの影に隠れたり、やる気まんまんでひそんでいます。ま、どんなにやる気まんまんでも、鳥さんは窓の向こう側にいるので、つかまえることはできませんけどね。
でもね。鳥さんは、滅多にやってこないのですよ。
つまんないのですよ。
なので、下僕が小鳥のエサを庭に置きました。
そしたら、なんということでしょう!鳥さんたちがきたのです。
スズメちゃんも来ましたが、もうちょっと大きいグレーの鳥さんが来て、スズメちゃんがエサを食べようとするといじわるします。
グレーの鳥さんが好きなだけエサを食べてどこかに行くと、スズメちゃんがやってきます。でも、その頃には、エサはお皿の中ではなく、地面の上に散らばっています。スズメちゃんは地面に散らばったエサをあっちに飛んではついばみ、こっちに飛んではついばみと、あっち行ったりこっち行ったりします。
その姿は、みかんちゃんとゆずちんにとっては最高の劇場です。
なので、下僕は、窓から見えるその光景を「みかんちゃん劇場」と呼んでいます。
ふたりとも夢中になって庭でくりひろげられる寸劇を見ているわけですが。
何も考えずに窓に近寄る下僕によって、その楽しい寸劇は終了です。
鳥さんたちは、バッと飛び立って、しばらくは戻ってきません。
以前はゆずちんが狩りをしようとして窓に体当たりして、鳥さんたちは逃げてしまいましたが、最近はゆずちんも心得たものです。窓に直行しません。ちゃんと物陰に隠れながら、じわじわと窓に近づいて行って、窓のすぐそばで観劇します。
その姿は、サバンナのネコ科猛獣のようです。本当に美しい。
なので、下僕も、できるかぎりジャマしないように気を付けます。
とはいえ、みかんちゃんもゆずちんも、鳥さんが、想定外に窓に近づいてくると、しっぽをまるめて逃げます。