みかんちゃんの「お水ください」
みかんちゃんは、下僕の手ですくった水を飲みます。
っていうか、下僕の手ですくった新鮮な水しか飲みません。
もちろん、そんなことはないと思うんですけど。下僕が不在の時など、ちゃんと自分の水入れから飲んでいると推測するのですが。。。
下僕が家にいるのであれば、水入れに入っている水など飲まないわけです。
やっぱり水道から出てきたばかりの新鮮な水が一番だからなのか。でも、新鮮な水を器に入れても飲まない。やっぱり、下僕の手から飲むのが一番なのか・・・
みかんちゃんが我が家に来た頃。今から10年以上前のこと。
ペットショップにいたみかんちゃんは、ウォーターボトルから水を飲んでいたらしい。ウォーターノズルに口をつけて飲むタイプに慣れていたせいか、うつわにいれた水を飲むのが下手だったみかんちゃん。
とはいえ、下僕はフード用のうつわと水用のうつわしか用意していないし。それが当たり前だと思い込んでいたから、「水を飲むのに往生している猫」にびっくり。
とはいえ、そこはやっぱり猫。ウェットフードを食べる要領で水を飲む方法に気が付いて、へたっぴながらも、「水を飲む」ことを習得したようです。
みかんちゃんは、我が家に来てから2ヶ月くらいは、お湯でふやかしたサイエンスダイエットを食べていました。たっぷりのお湯でふやかしたフードを食べているので、水分はじゅうぶん取れていたらしくあえて「水を飲む」必要もなかったのかもしれません。
みかんちゃんにとっての「水」とは、どちらかというと遊ぶためのもの。蛇口から出てくる水は、つかまえたいけどつかまらない不思議な生き物。みかんちゃんが蛇口の下でずっと待っていても出てこないのに、下僕が来ると水が出てくる。どういうこと?
なので、みかんちゃんは、下僕がキッチンで作業を始めたり、洗面所に行ったりする際は必ずついていくように決めました。そうすれば、「水」を見逃すことがないからです。
そんな毎日が続くなか、ある日、下僕が「みかんちゃんお水飲む?」って聞きながら、手にいっぱい水をためて差し出してきたのです。
みかんちゃんは最初、手を突っ込んだりして遊んでいましたが、濡れた手をなめているうちに、「これは飲める」と気が付いてしまったわけです。
下僕の手から水を飲んでみると、あら不思議!とってもうまいじゃないの!
冬は温かく、夏は冷えた、新鮮な水がうまいじゃないか!
そう思ってしまったら、もう時間のたった水なんて飲めません。
下僕のいない間はしょうがないけれど、下僕が家にいるのなら、なぜ時間のたった水を飲まなくてはいけないのか!
って感じで、みかんちゃんは下僕の手から水を飲むようになったのです。とはいえ、下僕が家にいない時や、家にいても他のことにうつつをぬかしている時以外は、ちゃんとうつわから水を飲んでいたんです。ところが!
ゆずちんの出現で変わりました。
ゆずちんが我が家にやってきてからは、下僕の手からしか水を飲まなくなりました。
フードを食べて、のどがかわいてきたら、洗面所から下僕を呼びます。
「お水ください」「お水くださーーい」「お水くださいよぉーーー」
下僕が来るまで呼び続けます。
しょうがないので、下僕は何をしていても洗面所に行き、みかんちゃんに水を飲ませて、満足いただくまで水を手にためるわけです。
ま、みかんちゃんと下僕ふたりだけのスキンシップの時間ですね。たまにめんどくさい時もあるけど、みかんちゃんのためですから。それは、下僕の幸せでもありますから。
ちなみに、ゆずちんは絶対に下僕の手から水飲んだりしません。